読んだ本とかのまとめ(2022年6月)

読んだ本

今月よかったのは『祈りの海』.SFの短編集は読みやすいし程よく現実感がないのでいいですね.中でも「ぼくになることを」が面白かった. 人間の脳の中に,脳への入出力を逐次モニターし,その挙動を模倣するような〈宝石〉があるという設定の物語. いわゆる人工知能的なものの研究を齧っている身としては,人間の行動を完全にシミュレートするようなシステムが実現されたときに,そのシステムに自我や意識は存在するといえるのか(システムを観測する我々側からみて/システム自身から見て)みたいな思考実験は興味を惹かれるところ.

ペンギン・ハイウェイ』で主人公の父が述べていた「問題を解く時の三ヶ条」(問題を分けて小さくすること,見る角度を変えること,似ている問題を探すこと),SFファンタジー版『いかにして問題をとくか』だ……となった.