読んだ本とかのまとめ(2022年8月)

読んだ本

『しあわせの理由』は,表題作の「しあわせの理由」・「道徳的ウイルス学者」・「移相夢」あたりが特に面白かった. 表題作の「しあわせの理由」に出てくる感情コントロールシステム,早く実用化されてほしい.

『八月の銀の雪』も(SFではないにしろ)全体的に科学のエッセンスを感じる作品だな〜と思って著者プロフィールを見たら理系博士号持ちだったので納得.

文章自動生成系の研究をやっていると,書き手が人間であるかAIであるかが文章の批評に影響するのか少し気になることがあったので,そういう点でも『伝奇集』の「『ドン・キホーテ』の著者、ピエール・メナール」は興味深かった.

『ドミノin上海』は,前作『ドミノ』から引き続き,愉快な登場人物たちのドタバタ劇が楽しい作品だった. 登場人物たちの生き生きとした個性の描かれ方や,あらゆる伏線が一点に収束していく様がまさに職人芸. 恩田陸の作品,それぞれのジャンルやタッチの振れ幅が大きいのにどれも面白いので本当に良い……