読んだ本
- 恩田陸『七月に流れる花』
- 恩田陸『八月は冷たい城』
- 『百合小説コレクション wiz』
- 柴崎友香『春の庭』
- シュペルヴィエル『海に住む少女』
- クラウディア・マーティン『世界の廃墟島』
- 六嶋由岐子『ロンドン骨董街の人びと』
『七月に流れる花』『八月は冷たい城』:連作。周囲から隔絶された学園というテーマでいうと名作『麦の海に沈む果実』を連想させられる。不穏な空気感とどこか幻想的な舞台設定の相性が秀逸。
『海に住む少女』:訳者あとがきの「フランス版宮沢賢治」という評が言い得て妙。寓話的で詩的な文章の中に、どこか不穏で死の気配も感じさせる物語が美しかった。
『ロンドン骨董街の人びと』:エッセイというより小説に近いような密度の濃さが心地良い。ロンドンの古美術商に職を得た著者のエッセイ。気位の高い英国紳士から見た日本評(当時バブルまっただなか)がなんとも渋い。ジャパンマネーが成金として世界を席巻していた時代……。外国で東洋美術にふれる経験、いつかしてみたい。